写真修整(その1)

今日、探し物をしていたら、懐かしい鉛筆が出てきました。

そうだ、修整の話を書こうと思いついて、ネガを探すと、しっかり

鉛筆が入ったものが見つかりました。4x5のネガに修整ニスを塗っ

て、その上から鉛筆を入れていきます。

鉛筆の匂いや修整ニスの匂いが懐かしく思い出されます。

そして、父が椅子に座って黙々と鉛筆を走らせていた姿が浮かんで

きます。

忙しくなってくると私も見よう見まねで、手伝いをしていました。

徹夜の作業になる事もあり寒さと戦いながら懸命にやっていました。

時代は変わって、今はもう鉛筆は手にする事はなくなりました。

代わりにタブレットのペンを一日中持って作業する事も多くなりま

した。

PSが出てきて過去の写真修整の技法が忘れ去られ、今はスタンプツ

ールやヒーリングブラシ等をお使いの方、修整ソフトをお使いの方

など多いのではないかと思います。

数年前、私の家内が写真館の講習会で、ある写真の大家の方のセミ

ナーでパソコン画面を反転し、ネガ状態にして修整をしているとい

う話を聞いてきました。

せっかくポジ状態で見えるのに、それはないだろうと話したのを覚

えています。

最初の頃、私もハウツー本等で調べて自分で工夫してやっていまし

たが、どうも大雑把で肌の肌理の感じが思うように仕上がらず納得

がいきませんでした。

また、スタンプツールやぼかしツール等を使ったものも結果は思う

ようにならず自分の想像している結果に合いませんでした。

こうなると、自分で工夫するしかないと考え、背景のコピーレイヤ

ーを作り下側のレイヤーの濃度を下げて2枚重ねにし、皺の深い部

分の上のレイヤーを消しゴムツールで消せば鉛筆修整に似てくると

思い、その方法を1年近くやりました。

しかし、欠点があります。やり過ぎるともとに戻りません。

毎日毎日、修整作業をしながら考えました。

そして、ある日寝ていて、明け方に解決方法を夢に見たのです。

飛び起きてパソコンに向かいました。

 

つづく